KAIKAカンファレンス2019
プレセッション開催レポート

はじめに
「人事維新」をテーマに掲げる、2019年度のKAIKAカンファレンス。
今年度は人事維新に向けた「継続的な学び」をキーワードに2月21日・22日の本セッションに向けてスタートしています。

既に7月から、皆さまへは「継続学習コンテンツ」の無料配信をしていますが、10月12日には「グローバル企業の人事」という観点でアリババ集団・Amazon・Yahooの元HR担当役員David Cao氏をシリコンバレーから招き、日本では初めての講演・討議セッションを開催しました。

当日はDavid Cao氏の講演後、コーディネータの中島 豊氏(中央大学大学院戦略経営研究科 特任教授)が学びを深める問いを投げかける討議セッションを展開するという構成でした。

ご参加いただいた方には多くの気づき、新たな学びのあるセッションとなりました。

KAIKAカンファレンス2019プレセッション概要

◆日時:2018年10月12日(金)15:00~18:00

◆開催場所:ベルサール三田

◆講演者
David Cao(HR Consultant)
●Alibaba Group  Vice President, HR, International Business(10/2014 – 04/2016) 
●Amazon.com  Director, HR, China Operations(03/2011 – 10/2014) 
●Yahoo! China and Koubei Vice President, HR/Legal/Administration, (01/2007 – 08/2009) 
●Codexis Inc., California, USA Director, Human Resources  (10/2004 – 01/2007) 
●Intuit Inc., California, USA Human Resources Business Partner (08/2002 – 10/2004) 
●Silicon Graphics Inc., California, USA Human Resources Manager (04/2000 – 08/2002)

 

◆コーディネータ
中島 豊 中央大学大学院戦略経営研究科 特任教授

当日セッションの様子

当日は天候にも恵まれ、「社内・国内にはない人事・人材開発の考え方やしくみを知りたい」と考える経営者・経営幹部の方、

人事・人材開発担当者の方にお集まりいただきました。

開始前から積極的な名刺交換がなされる、人事・人材開発への関心の高さを感じる雰囲気でした。

その後いよいよセッションが始まり、David Cao氏が登壇しました。

 

テーマは「Secret Sauce Behind Alibaba’s Success」
アリババの成功の陰にある人材を活かすポイントを実例をもとにご紹介いただき、
これから世界で求められるHRの役割・機能についてレクチャーいただきました。

 

<講演アジェンダ>
・19年間のアリババの歴史とビジネス概要
 -アリババのビジョン
・アリババの成功の秘訣
- アリババが最も大切にする6つのコア・バリュー
- 人材を活かすためのエンパワーメント と トラスト
・アリババのHRの役割 
- HRは誰よりも事業・現場・仕事を知っていなければならない
- 人材採用で重視する「ベストフィット」
- 給料と福利厚生「アリババが考える『公正と透明性』 」
- Training & Development
- Talent Review
・アリババの業績評価
 - ビジネス・スコア と コア・バリュー

考え方と具体的な制度・実践の話が盛りだくさんで、「HRから自社を変革していきたい」と考える

人事・人材開発部門の方にとっては大変価値の高い内容でした。
 

講演に続き、David Cao氏 × 中島 豊氏 の討議となります。

 

【討議セッションの問い】
・アリババのコア・コンピテンシーは何であると考えるか?
・アリババのコア・コンピテンシーはどのように会社の収益の寄与しているか
・グローバルな競合相手に対してアリババがユニークであるポイント 等

 

中島先生のクリティカルな質問に対し、David Cao氏からはビジネスモデルの視点やAmazonとの比較などの切り口から

ご回答をいただけました。議論を通じて、講演では語られなかった、より深い内容を語っていただけました。

最後に、参加者の方々から質問をいただきました。
実務への具体的な落とし込み方についての質問が多く、「職場に活かせる内容を持ち帰ろう」と熱心に尋ねられている様子が

見受けられました。

 

David Cao氏からは最後に、「ビジネスで最も大事なのは『人』である」という言葉をいただきました。

 

国が変わっても、時代が変わっても、テクノロジーがいくら進化しても、世界をリードしていくのが「人」であることは変わらないというメッセージは、図らずも、KAIKA カンファレンス2019が標榜するテーマと同じであり、私たち事務局を含めた、参加者全員の共感する中でのセッション閉会となりました。

学びと気づきのお声、フィードバック

たくさんの学びと気づきのお声・フィードバックをいただきました。
その一部をご紹介します。

 

<アンケートコメント(一部)>
・たいへん中身の濃いイベントだった。

・テクノロジーで問題を解決しエコシステムを構築するという考えは、今の時代に即していて、これを20年前から目指していたという

先見の明に感嘆した。

・Passion!! よい刺激になった。

・もっと自社のビジネスを理解しなければと思った。

・多くの企業が詳細を明かさないコアバリューとその具体的行動例や定義まで講演してもらえる大変稀で貴重な機会だった。

・直感(ニオイ)やベストフィットを重視している点がユニークでおもしろかった。

・ビジネスとHRの関連に関心をもっていた点と数値以外の評価軸をもっていた点を知ることができたことに大きな価値があった。

・コア・バリューに重きを置いた人材マネジメントに驚いた。

・創始者の思いが企業運営全体に浸透していることに驚いた。

・HRのポジションが社内で相対的に低い(と感じる)当社にとっては興味深い話ばかりだった

おわりに&これから

セッション終了後、参加者の皆さま同士が意見交換する様子も見られました。
今回のプレセッションが新たな気づきや学びの場となったことを実感でき、事務局としても嬉しく思います。

 

私達KAIKAカンファレンス事務局では、人事・人材開発のあり方や課題解決の方策を考える視野が日本国内だけに閉じてしまうことなく、グローバルかつダイバーシティな視野を持ち情報チャネルを変えていくことが重要だと考えています。

今回その一環として、中国発の世界的企業でありながら、依然として日本国内では情報を得ずらい、アリババ集団のHRを洞察すること

から日本の人事・人材開発のあり方を問いなおす機会をつくりたいと考えました。

2月の本カンファレンスに向け、KAIKAカンファレンスは人事・人材育成担当者の皆さまの学習に役立つコンテンツをこれからも提供しつづけていきます。

 

次回継続学習コンテンツ(無料)はこちらです。

【書籍ダイジェスト】
①戦略参謀の仕事 プロフェッショナル人材になる79のアドバイス(稲田 将人著)
②人事評価はもういらない 成果主義人事の限界(松丘 啓司 著)
      
11月上旬から期間限定で配信予定です。

ご期待ください!

最後に、ご参加いただいた皆さま、ご協力くださった全ての方に感謝申し上げます、
ありがとうございました!